数字で投げるボウリング … ダイフクプラスモア キュービカエーエムエフカンパニー | DAIFUKUPLUSMORE QubicaAMF Company
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(このコンテンツは、米900Global社の技術情報ホームページより抜粋・翻訳したものです。[05/01/2008 Cover Stocks])
ダニー・スペランザ
プロダクトリサーチディレクター
私がABCとWIBCで働いていた頃、CATSTM (Computer Aided Tracking System) のデザインに協力しました。当時、たくさんの才能あふれるボウラーをこの設備を使って分析しました。私たちは、それぞれのアベレージ層のプロファイルを作成しました。下の表は、ボウリングに影響を与える重要な数値をアベレージごとにまとめたものです。
アベレージ | 140-160 | 170-190 | 200 and above |
平均投球スピード | 15.6~17.3 MPH (25~27.8km) | 16.9~17.7MPH (27~28.4km) | 18.1~18.5MPH (29~29.7km) |
ターゲット精度(スパットに向かって10回投げた範囲の平均値) | 5.5~6.5インチ | 4.3~5.0インチ | 3.3~3.7インチ |
発射アングル範囲-発射アングルの誤差 | 1.54~1.77度(もしくは±.76 度~±.88 度) | 1.24~1.45 度(もしくは±.62度~.72 度) | 1.01~1.09度(もしくは±.50度~±.54 度) |
平均回転数(RPM:毎分回転) | 118 ~ 133 | 177 ~ 235 | 272 ~ 374 |
入射角度 | 2.1~2.2度 | 3.1~3.7度 | 4.2~5.2度 |
ボールスピード・回転・正確さは、ピンへ向かうボールの軌道とスコアに大きく影響します。間違いなく、一番重要なのは正確さでしょう。これは2つの数値によって測ることができます。:
- ターゲット精度
- 発射アングル範囲
両方の数値は、ボウラーが狙ったターゲットからどれだけブレるかを測るものです。回転も重要です。ピンの倒れ方に大きな影響を与える入射角度に影響します。より大きな入射角度は、通常ストライクポケットを広げます。スピードについても、ボール軌道に大きく影響します。遅いボールスピードはボールのフックを強くさせ、速いボールスピードはフックを弱めます。
ボール軌道を劇的に変えるボールの要素があります。それはボールとレーンの間に起こる摩擦です。CATSTM でその数値を測ることができます。ボールのRGもボール軌道に影響を与えますが、程度としては小さいです。
900Globalでは、ボール軌道の数学モデルを確立しました。このモデルは、ボウラーとボールに関する重要な数値のうち、CATSTMで測れるものと測れないものの両方を取り入れたものです。CATSTM の結果をもとに、数値を変えることによってどのような結果が得られるかを一つずつ検証することができます。
上記のチャートから一般的に高アベレージとされるボウラーの結果と、一般的な摩擦・RG値から始めるとすると、それぞれを調整することでボール軌道にどのような影響を与えるのかを知ることができます。
とりあえず以下の数値から始めてみましょう:
- スピード = 18 MPH [28.9 km]
- 回転 = 毎分270回
- アクシスローテーション = 45度
- オイル上の摩擦 = .0252
- ドライバックエンド上の摩擦 = .27
- 発射アングル = 0度 (板目にそって真っ直ぐ)
- 最初の板目位置 = 5枚目
以下の表はボールの初期スピードを変更することで、どのようにボール軌道に影響を与えるのかを数学モデルを使って計算した理論的な結果です:
発射アングル | 0度 | |||
オイル上の摩擦 | .025 | |||
ドライバックエンド上の摩擦 | .27 | |||
スピード(MPH:マイル毎時) | 16 [25.7km] | 17 [27.3 km] | 18 [28.9 km] | 19 [30.5 km] |
回転(RPM:毎分回転) | 270 | |||
アクシスローテーションアングル(角度) | 45度 | |||
板目位置(インチ) | 28 | 25 | 23 | 21 |
入射角度(角度) | 5.0 | 4.7 | 4.5 | 4.3 |
スピードが毎時1マイル変わるごとに、曲がり幅では板目2~3枚、入射角度では.2~.3度の違いが出ます。入射角度での1度の変化は大きな影響です。また、フックで板目2~3枚の変化というのは、ストライクポケットに当たるかヘッドピンに真っ直ぐに当たってしまうかというほどの違いがあります。以下の表はボールの回転数を変化させた場合の影響です:
どのように多くの人々がサッカーをする発射アングル | 0度 | |||
オイル上の摩擦 | .025 | |||
ドライバックエンド上の摩擦 | .27 | |||
スピード(MPH:マイル毎時) | 18 [28.9 km] | |||
回転(RPM:毎分回転) | 210 | 240 | 270 | 300 |
アクシスローテーションアングル(角度) | 45度 | |||
板目位置(インチ) | 19 | 21 | 23 | 25 |
入射角度(角度) | 3.5 | 4.0 | 4.5 | 4.9 |
回転数を30ずつ変えた場合、フックで板目2分、入射角度で1/2度の違いが出ました。この数値は、平均的なボウラーにとっては変更が難しいものです。一般的には30ほどなら変更できるかもしれません。ボールの回転数を上げる方法を学ぶことは容易ではありません。他にもっと簡単にフックを増やす方法があります。その一つがアクシスローテーションアングルを変更することです。以下の表では、アクシスローテーションの重要性を理論的に証明しています:
発射アングル | 0度 | |||
オイル上の摩擦 | .025 | |||
ドライバックエンド上の摩擦 | .27 | |||
スピード(MPH:マイル毎時) | 18 [28.9 km] | |||
回転(RPM:毎分回転) | 270 | |||
アクシスローテーションアングル(角度) | 30度 | 45度 | 60度 | 90度 |
板目位置(インチ) | 18 | 23 | 26 | 27 |
入射角度(角度) | 3.1 | 4.5 | 5.6 | 6.9 |
アクシスローテーションアングルは、トータルフックと入射角度にもっとも影響を与える数値の一つです。この数値は直接CATSTMで測れるものではありません。
どのように布のデザインが作成されていますか?もし、ボウラーがリリースの際に手をボールの横に回したなら、アクシスローテーションの角度は90度ほどになります。リリースの際、彼らのアクシスポイントはボールの真後ろ、つまりボウラーの方向に向きます。もし、ボウラーがボールの真後ろに手を持っていき、そのままリリースした場合、ボールのサイドロールは少なくなり前方回転になるでしょう。その場合、アクシスポイントの角度は小さく(30度など)、左側の壁の方向に向きます(右投げの場合)。上記の表が示すとおり、ボールのフックと入射角度を大きく減らします。ボウラーにとって、フック幅を変えるためにアクシスローテーションアングルを変える方法を学ぶことは、それほど難しいことではありません。リリースの瞬間の手首の動きを練習する必要� ��あるだけです。
レーンとボールの間の摩擦は、ボール軌道に大きな影響を与えます。以下の表は数学的にオイル上での摩擦がどのようにボール軌道へ影響を与えるのかを示したものです:
発射アングル | 0度 | |||
オイル上の摩擦 | .020 | .030 | .040 | .050 |
ドライバックエンド上の摩擦 | .27 | |||
スピード(MPH:マイル毎時) | 18 [28.9 km] | |||
回転(RPM:毎分回転) | 270 | |||
アクシスローテーションアングル(角度) | 45度 | |||
板目位置(インチ) | 22 | 24 | 27 | 29 |
入射角度(角度) | 4.5 | 4.5 | 4.5 | 4.5 |
オイル上の摩擦の小さな変化は、ボールがどれくらい早くフックし始めるかに影響します。これは最終的なボールの位置に大きな影響を与えますが、入射角度には影響を与えません。ボールがロールアウトしなければ入射角度に影響を与えますが、例をみると、変化はありませんでした。オイル上の摩擦の変化は、オイルパターン、レーン表面、ボールカバーストック、ボール表面(サンディング・ポリッシュ)、またはフレアポテンシャルによるものです。 .02から.05への変化は理論的に板目7枚という大きな変化になります。 新しいシェルの開発のためにたくさんリサーチするのはこのためです。パーティクルのシェルは、オイル上での摩擦を増やします。パーティクルの種類によって摩擦の度合いも変わります� ��
レーンのドライバックエンドでの摩擦も重要です。クリーンなドライバックエンドでの摩擦がオイルエリアに比べ5~12倍ほど強くなるのは一般的です。以下の表では、ドライバックエンドの摩擦がどのようにボール軌道に影響を与えるかを示したものです:
発射アングル | 0度 | |||
オイル上の摩擦 | .025 | |||
ドライバックエンド上の摩擦 | .150 | .200 | .250 | .300 |
スピード(MPH:マイル毎時) | 18 [28.9 km] | |||
回転(RPM:毎分回転) | 270 | |||
アクシスローテーションアングル(角度) | 45度 | |||
板目位置(インチ) | 22 | 24 | 27 | 29 |
入射角度(角度) | 4.5 | 4.5 | 4.5 | 4.5 |
オイル上の摩擦で得られる影響と同じような効果を得るためには、ドライバックエンドの摩擦の場合、より大きな数値の変化が必要になります。ポリエステルシェルは、バックエンドで.15ほどの摩擦です。ウレタンシェルは、.20の摩擦です。リアクティブやパーティクルシェルの場合は.25-.30 の摩擦になります。パーティクルのユニークな特性は、バックエンドよりもオイル上で摩擦に大きな変化をみせるところです。バックエンドでの摩擦に関しては、リアクティブボールとパーティクルボールではあまり差はありません。
ボールのコアもボール軌道に影響を与えます。RGはコアにおける主要の要素です。以下の表はボールのRG値がボール軌道にどのような影響を与えるのかを示したものです:
発射アングル | 0度 | |||
オイル上の摩擦 | .025 | |||
ドライバックエンド上の摩擦 | .27 | |||
スピード(MPH:マイル毎時) | 18 [28.9 km] | |||
回転(RPM:毎分回転) | 270 | |||
アクシスローテーションアングル(角度) | 45度 | |||
ボールRG値 | 2.4 | 2.5 | 2.6 | 2.8 |
板目位置(インチ) | 22 | 23 | 24 | 25 |
入射角度(角度) | 4.2 | 4.5 | 4.8 | 5.5 |
RG値の変化はフックよりも入射角度に影響を与えます。低RGのボールは、中心が重くなっています。こういったボールは早めにフックし始め、入射角度が小さめになる可能性があります。オイリー用に良いボールとなるでしょう。高RGのボールは、ボールのウェイトがシェル近くの外側に集中しています。このようなボールは、フックし始めるのが遅く、入射角度も大きくなる可能性があります。こういったボールは、ドライコンディションに合っています。多くの場合、これらのボールは低フックボールとして売られています。しかし、これらのボールがとてもドライなコンディションに乗った場合、表が示すようにバックエンドで強く曲がろうとします。ABCのボール規定では、RG値は2.40~2.80インチの間とされています 。
これまでご紹介してきたものが、我々が行ったスポーツボウリングの数学的分析結果です。分かりづらくなければ良いのですが。ボウラーの方は既にこれらの結果をご存知だったかもしれません、例えば遅いボールは速いボールよりも曲がる事とか。しかし、各要素が実際にどれくらいボール軌道に影響を与えるかについて、よくご理解いただけたかと思います。ボウリングは、ボウリングの才能、使用する用具の知識、そしてボウリングをすることによって起こる環境の変化などこれら全てのものを組み合わせたスポーツなのです。ボウリングは頭で考えるゲーム、それがボウリングの素晴らしいところなのです。
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